育成就労と技能実習の違いとはなに?
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東京都中央区に拠点を置き、在留資格(ビザ)申請を全国で承っております、行政書士ROYAL国際法務事務所です。
今般、入管法の改正により、「技能実習」の在留資格が見直され、新たに「育成就労」の在留資格が創設されることとなりました。
2027年より開始される見込みとなっておりますが見直しの元とされる技能実習とはなにが違うのでしょうか。
今回は技能実習と育成就労の違いについて、触れていきたいと思います。
育成就労について
育成就労の概要
育成就労とは技能実習にかわり、新たに創設される在留資格となります。
制度の目的が「国際貢献」から「日本国内の人材育成及び確保」にシフトしております。
なお、法律としては新たな法律ではなく、技能実習の抜本改正となっております。
育成就労の概要については、詳しくこちらの記事で説明しています。
ポイント1.制度の目的
技能実習制度は平成22年7月に施行され、日本の企業で必要な技術を学び、帰国後にその技術を生かして母国の経済発展(技術の移転)に役立てる国際貢献を目的に創設されました。
育成就労制度では現在施工されている特定技能1号水準の技能を有する人材を育成し、また特定技能分野における人材を確保することが目的とされております。
技能実習制度は、技能移転が目的とされていましたが実態は企業の労働力確保のための運用となっていることが多く、制度の趣旨と実態がかけ離れていることがたびたび問題となっておりました。
そういった事態も含め、育成就労では国際貢献の目的が無くなり、日本国内の人材確保が主な目的となっていることが違いとしてあげられます。
ポイント2.受け入れ時の要件
技能実習制度では、前職要件や入国後講習などが必要とされています。
前職要件としては技能実習の職種を学校で学んでいるか母国で経験をしている必要があります。
また、入国後講習では監理団体や監理団体が委託した日本語学校にて①日本語、②日本の文化(生活ルール等)、③日本の法律(入管法や労働法等)、④技能の知識を学ぶ必要があり、規定されている時間の講習を受講する必要がございます。
育成就労制度では、前職要件はなく日本語能力試験においてN5レベル相当を有していることもしくはこれに相当する認定日本語教育機関等による日本語講習の受講が条件とされる予定です。
そのため、おおきな違いとしては前職要件が不要となっていることがあげられます。
ポイント3.移行要件
技能実習制度では技能実習1号から技能実習2号へ移行する際に技能検定基礎級等に合格している必要があり、技能実習3号へ移行する際には技能検定3級等に合格している必要があります。
育成就労制度では受け入れ後1年以内に技能検定基礎級等に合格している必要があり、3年間の育成就労期間を終え、特定技能1号へ移行する際には技能検定3級等もしくは特定技能1号評価試験に合格し、なおかつN4レベルの日本語能力を有している必要があります。
そのため、大きな違いとしては技能実習制度では特定技能へ移行するために技能検定3級等に合格していれば日本語能力試験は免除されていたものが育成就労制度では特定技能1号へ移行する際に技能検定3級等もしくは特定技能1号評価試験に合格し、なおかつN4レベルの日本語能力を有していなければならないと日本語能力試験の合格が求められます。
ポイント4.転籍
技能実習制度では転籍が認められておりません。理由としては受け入れ先の企業で技能を習得することが目的とした在留資格であったためです。
そのため、受け入れ先の環境が劣悪だったとしても、別企業への変更が認められていないため、自身の身を守るために年間に多くの技能実習生が失踪するという事態になりました。
育成労働制度では以上の反省を踏まえ転籍が可能とされています。転籍を行う際には一定の条件を満たしていることが前提となり、条件(予定)としては下記となります。
【転籍要件】
①元の受け入れ期間での就労期間が分野ごとに1年から2年の範囲であること。
②技能検定試験基礎級等及びN5以上の日本語能力を有していること。
③転籍先が育成就労を適正に実施する基準を満たしていること。
ポイント5.管理者の見直し
技能実習制度では「監理団体」と呼ばれる技能実習生の受け入れ窓口や受け入れ後の適正な監理を担う団体があります。
育成就労制度では監理団体に代わって「監理支援機関」と呼称される団体となります。監理支援機関は外部監査人の設置が必要となり、受け入れ機関と密接な関係を持つ職員は受け入れ機関と関わる業務には携われないこととされています。
監理支援機関の概要については、詳しくこちらの記事で説明しています。
ポイント6.職種
技能実習制度では、91職種(令和6年9月30日時点)が対象となっておりますが、特定技能へ移行する際に同職で移行できないという問題が浮き彫りとなっております。
そのため、特定技能への移行が前提とされる育成就労制度では、特定技能と同様の職種が見込まれるものとされております。
ポイント7.在留期間
技能実習制度では最長で5年の在留期間が認められておりますが育成就労制度では原則3年とされ、特定技能へつなげていくかたちとなります。
なお、育成就労制度では3年を経過した場合であっても、特定技能1号への移行に必要な技能・日本語能力に係る試験に不合格となったときには最長1年の範囲内で、一定の在留継続を認めることができる方針となっております。
ポイント比較表
| 技能実習制度 | 育成就労制度 | |
| 制度の目的 | 国際貢献 | 人材育成及び確保 |
| 受け入れ時の要件 | 入国後講習及び前職要件 | 日本語能力N5もしくは日本語講習 |
| 移行要件 | 同職種であれば無試験で移行可能。 | 技能検定3級等もしくは特定技能1号試験なおかつ日本語能力N4 |
| 転籍 | 不可 | 条件を満たした場合に可能 |
| 監理者 | 監理団体 | 監理支援機関 |
| 職種 | 91職種(令和6年9月30日時点) | 特定技能1号に準ずる |
| 在留期間 | 3年から最長5年 | 原則3年(ただし、特例措置あり) |
最後に
育成就労はお任せください!
これから整備されていく育成就労の運用ですが外国人労働者を雇用される企業様は常にアンテナを張っている必要があるかと存じます。
当所ではそのような企業様へお役立ちができたらと常に最新の情報を発信し、これからも多くの企業様に貢献をし続けていく所存です!!
【当所紹介】
全国で登録支援機関や監理団体の顧問として、外国人業務に関する法務相談にも対応しております。 当事務所では、元入管職員や元警視庁職員も在籍するとともに、建設業や製造業をはじめとするさまざまな業界に精通しており、外国人ビジネスにおける多角的なコンサルティングを強みとしています。
さらに、Royal Consulting社労士事務所を併設していることから、労務管理や助成金の申請も含めた一気通貫のサービス提供が可能です。外国人の在留資格に関するコンサルティング業務も一貫して提供しており、育成就労制度のみならず、特定技能や技術・人文知識・国際業務など、幅広い在留資格に対応したサポートを行っております。
当所では外国人業務専門の行政書士・社会保険労務士事務所となっておりますので、ささいなことでもROYALグループへお気軽にご相談くださいませ!
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