在留資格「育成就労」の概要について

query_builder 2024/09/29
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paso


今般、入管法の改正により、「技能実習」の在留資格が見直され、新たに「育成就労」の在留資格が創設されます!

2027年より開始される見込みであるため、育成就労法をいち早く理解したうえで今から準備していくことが重要となってきます。

そこで今回は、この「育成就労」の目的及び基本方針の説明と、その内容を記していきたいと思います。

育成就労の制度目的と特徴

育成就労の制度目的

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まず初めに、「育成就労」の制度目的についてご説明いたします。

外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(以下、「育成就労法」と呼びます。)中の第1条には、その目的が以下のように定められています。

 

「この法律は、育成就労に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、育成就労計画の認定及び監理支援機関の許可の制度を設けること等により、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)その他の出入国に関する法令及び労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の労働に関する法令と相まって、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護を図り、もって育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有する人材を育成するとともに、育成就労産業分野における人材を確保することを目的とする。」としています。

 

これを簡単に要約すると、「育成就労という在留資格は、人材不足に陥っている特定の技術や知識を要する業種に対して、技術などの教育をして特定技能と同じくらいの人材にまで成長させつつ、その業種の人材不足を解消するための在留資格」といった内容となり、「人材育成」「人材確保」が当該在留資格のメインテーマとなっています。


この、人材不足となっている業種のことを「育成就労産業分野」といい、特定技能における特定産業分野(介護、ビルクリーニング、工業製品製造、建設、造船・船用工、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造、外食)に対応しています。

しかし、前述の特定産業分野以外にも受け入れ対象業種は、今後増えていく可能性があります。

 

また、育成就労の在留資格を取得するには「認定育成就労計画」を3年分作成しなければなりません。これは育成就労として外国人を受け入れるにあたっての育成プラン、キャリアプランの計画書となります。

育成就労計画の認定は外国人育成就労機構を通じて、出入国在留管理庁長官および厚生労働大臣が認定することとなります。       


育成就労の特徴

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次に、育成就労の特徴の説明をいたします。

 

そもそも、育成就労法というのは、技能実習法の抜本改正となっているため、育成就労法という新法ができたわけではございません。

その為、育成就労法は技能実習法に通ずる部分が多くあります。

その中でも技能実習とは異なっている点として大きなものは、「育成就労」という在留資格は1個の在留資格ということです。

技能実習制度において、企業単独型・団体監理型のいずれも、「技能実習1号」「技能実習2号」「技能実習3号」と分かれており、それぞれ別の在留資格です。さらに企業単独型であれば「技能実習1号イ」など、団体監理型では「技能実習1号ロ」などのように細分化されています。それに対して育成就労は、企業が直接受け入れる「単独型育成就労」及び監理支援機関が関与する「監理型育成就労」の2パターンが存在しますが、それらを内包した「育成就労」という1個の在留資格になります。

 

ここで、「単独型育成就労」、「監理型育成就労」という言葉を聞きなれない方も多いかと思いますので具体的に見ていきましょう。


単独型育成就労

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~単独型育成就労~


【育成就労法22項】

本邦の公私の機関の外国にある事業所の職員である外国人(入管法第二条第一号に規定する外国人をいう。以下同じ。)が、特定産業分野(入管法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に規定する特定産業分野をいう。)のうち、外国人にその分野に属する技能を本邦において就労を通じて修得させることが相当であるものとして主務省令で定める分野(以下「育成就労産業分野」という。)に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を修得するため、同表の育成就労の在留資格をもって、当該機関により受け入れられて必要な講習を受けること及び当該機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事することをいう。


「単独型育成就労」とは、日本の企業が、同法人の外国にある事業所で就労している外国人を受け入れることをいいます。同じ会社の外国にある支店から、一定の技能を身に付けさせる目的で来日させるといった場合をイメージしていただければと思います。


監理型育成就労

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次に、「監理型育成就労」についてです。

 

~監理型育成就労~

 

【育成就労法23項】

次に掲げるものをいう。

イ 外国人が、育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を修得するため、入管法別表第一の二の表の育成就労の在留資格をもって、本邦の営利を目的としない法人により受け入れられて必要な講習を受けること(本邦の公私の機関が当該機関と主務省令で定める取引上密接な関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員である外国人を雇用する場合にあっては、当該本邦の公私の機関により受け入れられて必要な講習を受けること)及び当該法人による監理支援を受ける本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所において当該育成就労産業分野に属する技能を要する業務に従事すること。

 

ロ 外国人が、労働者派遣等育成就労産業分野(育成就労産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本邦において就労を通じて修得させるに当たり季節的業務に従事させることを要する分野であって、当該技能を労働者派遣等(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下このロにおいて「労働者派遣法」という。)第二条第一号に規定する労働者派遣又は船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六条第十一項に規定する船員派遣をいう。(1)及び(2)並びに第二十条第二項において同じ。)による就労を通じて修得させることができると認められるものとして主務省令で定める分野をいう。以下同じ。)に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を修得するため、入管法別表第一の二の表の育成就労の在留資格をもって、本邦の営利を目的としない法人により受け入れられて必要な講習を受けること及び当該法人による監理支援を受ける本邦の派遣元事業主等(労働者派遣法第二条第四号に規定する派遣元事業主又は船員職業安定法第六条第十四項に規定する船員派遣元事業主をいう。以下同じ。)との雇用契約に基づいて次の(1)又は(2)に掲げる業務のいずれかに従事すること。

 

(1)当該派遣元事業主等の本邦にある事業所において行う当該労働者派遣等育成就労産業分野に属する技能を要する業務及び労働者派遣等により当該法人による監理支援を受ける一又は複数の本邦の派遣先(労働者派遣法第二条第四号に規定する派遣先又は船員職業安定法第六条第十五項に規定する派遣先をいう。以下同じ。)の本邦にある事業所において行う当該労働者派遣等育成就労産業分野に属する技能を要する業務

 

(2)労働者派遣等により当該法人による監理支援を受ける複数の本邦の派遣先の本邦にある事業所において行う当該労働者派遣等育成就労産業分野に属する技能を要する業務((1)に掲げる業務を除く。)

 

これは非営利の監理支援機関(事業協同組合、商工会など)が育成就労外国人に、必要な講習を受けさせ、監理支援機関の監理支援下で育成就労外国人を必要とする企業において就労を実施するものです。

さらに、この「監理型育成就労」には季節的業務(農業、漁業 等)に従事させる場合に、監理支援機関による支援のもと派遣契約によって育成就労計画に定めた計画に従い、複数の事業所で就労させることが可能です。

(例:夏野菜を育てる事業所で6か月、冬野菜を育てる事業所で6か月の就労を派遣契約によって従事させる場合など)


育成就労において従事できる通算期間

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育成就労外国人は特定技能に移行できる水準の知識・経験を積ませる人材育成といった目的があるため、育成就労制度を利用する外国人については、原則3年間の就労を通じた人材育成を行うこととなります。

なお、3年を経過した場合であっても、特定技能1号への移行に必要な試験(特定技能1号試験や日本語試験 等)に不合格となったときには、最長1年の範囲内で、一定の在留継続を認めることができる方針としています。

 

ここで、育成就労外国人のキャリアプランにおいて以下のようなフローが考えれます。

 

育成就労で来日

3年間(場合によっては4年)の内に特定技能1号に必要な知識・経験を積み、試験合格する。

               

特定技能1号へ変更

⇒特定技能1号の通算期間は5年であるため、その期間内に特定技能2号に必要な水準までの技能を身に付ける。

               ⇩

特定技能2号へ変更

⇒特定技能1号とは異なり、在留期間の通算期間は存在しないため、更新を続けられれば安定的に日本で就労することが可能。

要件を満たせば「永住者」への在留資格変更許可申請も可能です。


終わりに

よろこび


日本で働きたい外国人の方々に就労し続けてもらうような企業になるには、育成就労外国人の成長に併せ、企業様自身も外国人雇用の理解をしていくことが必要不可欠です。

外国人雇用には入管法等の法務知識はもちろん、労働基準法等の労務知識が必要となります。

ROYAL事務所では行政書士・社会保険労務士事務所を併設しているため、外国人法務や労務面でも安心してご相談いただくことが可能です。

 

以上、まだまだ不明点が多い育成就労制度ではございますが、ROYAL事務所においても最新情報を常に取り入れてブラッシュアップしていきます!

 

その他、育成就労制度におけるメリットやどういった要件が必要なのかなど、疑問点がございましたら元入管職員も在籍している当所にご連絡ください!

すべて真摯にお答えし、お役に立てるよう粉骨砕身の覚悟で全力を尽くさせていただきます!


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